2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧
私は、逢坂剛のスペインものが大好きなので、本書は、そんな逢坂剛が絶賛している(書評)長編ロマンということで、楽しみにしていたものです。 氏が書評で「構成に難なしとせず」としていますが、ヌリアの長大な回想だけでなく、いろいろ気になるところはあ…
茂木健一郎さんの書評に惹かれて読んでいたところ、日高敏隆さんの訃報が飛び込んできました。茂木さんがその翻訳を褒めていますが、わたしも日高さんの文章は好きで、氏の翻訳ということでなければ、本書を手に取ることはなかったかもしれません。 内容は、…
山崎豊子「不毛地帯」*1のモデル瀬島龍三のハーバード大学における講演録です。瀬島龍三は、陸大首席卒業という日本第一の秀才ですから*2、論理的で、良く整理された、大東亜戦争への経緯を理解するための教科書のような本だと思います*3それだけにあまり面…
「深追い」、「又聞き」、「引継ぎ」、「訳あり」、「締め出し」、「仕返し」、「人ごと」という三ツ鐘署を舞台とする警察もの7短編が収められています。「人ごと」だけ、韻を踏んでいないし、作品のタッチもちょっと異なるのですが、これも作者の狙いでしょ…
湯川秀樹博士って、どんな人だったのでしょう? 著者は、三高時代、多くの学生たちがバンカラ学生生活を謳歌する中で、エネルギーのほとんどを読書と思索に注ぎこんだことを、バランスの取れていない不調和な少年だったし、それを人間として立派なこととは思…
評判は聞いていましたが、「格差」ブームに乗った内容のない本ではないかと思っていました。文庫化されたこともあって手に取りましたが、米国の政治・経済・社会について理解する上で重要な事柄を多角的に分析し、わかりやすく、かつコンパクトにまとめている…