吉本隆明は、「共同幻想論」も読んでおらず、読んだことのあるのは糸井重里との共著「悪人正機」だけ。同時代の思想家と比べてもなんとなく一種特殊な雰囲気をまとっているような気がしていたのだが、西伊豆での事故や死に際しての狂躁などを読むと、熱に浮かされたような時代は去っても死ぬまで同時代の人にとっての教祖あるいはアイドルだったのかもしれない。
漫画家の長女、次女ばななから見た自由、自立の人吉本隆明とその家族(奥さんのキャラが立ちすぎて主人公を食ってしまっている)のありようは、やはり普通ではなく、幸福であろうと不幸であろうと家庭はそれぞれかなと。