山田昌宏の「希望格差社会」を読んだので、そのつながりで読む(参考)。佐藤学、苅谷剛彦、諏訪哲二、山田昌宏らの受け売りばかりで、自らの創見と呼べるようなものはほとんどないと述べているが、そうであるにしても面白く読める。
末尾の対談で、内田が、
これ以上ニートを増やさないためには、二ートたちに対して、「この社会は、みんなお互いに他人に迷惑をかけ、他人に迷惑をかけられてもっているんだ。だから、僕たちは君たちを餓え死にさせるわけにはゆかない。世の中昔からそういうもんだから、あまり気にしなくていいよ」というメッセージをきっちり伝えることだと思うんです。
と述べたのに対して、「二ートの面倒をどうして私たちがみなくちゃならないのか、その理屈は分かりにくい」という質問が飛ぶのだが、これに、内田は、二ートを放置することは社会的、人類学的(?)コストが高くつくのだから、という旨答える。そうであるにしても、釈然としないことにかわりはないなあ。
また、日本人の付和雷同体質に期待するという、ある意味超楽観体質でいいのか、などとも思うが。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/31
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