HONMEMO

読書備忘録です。

悪党・ヤクザ・ナショナリスト/エイコ・マルコ・シナワ

幕末の志士のイメージを借り、自由民権運動の活動家となる壮士やその海外版である大陸浪人は、政党の院外団などとして政党システムに取り込まれ、その暴力担当を担う(イデオロギーに関心のない博徒、ヤクザの暴力も政治に大きな影響があった)。(院外団は、暴力団とインテリ団!でできていたと)

そのような流れで暴力的国家主義的団体が、軍が力を持つようになった政治とともに日本を破局へと導く。

日本の民主政治というか、政党政治は、暴力と不可分だったが、選挙権の拡大とともに暴力による動員が困難となり、敗戦による強い暴力忌避感の中で60年代には政治におけるあからさまな暴力は影を潜め、金権政治となる。

博士論文がもとになっているとのことなので、私にはやや詳しすぎ。