HONMEMO

読書備忘録です。

政治と報道/上西充子

・国民の間にわかりづらいとの声がある。

・〜という指摘がありますが、受け止めを。

・(野党は・・・と批判した、でなく、)「野党は反発」。

といったような紋切りですませる報道の堕落。

政局報道より、論点に沿った国会報道をするべきだ、という主張はそのとおりだが、通常視聴率はとれないだろう。国民は忙しく、通常の国会の審議はプロたる国会議員や官僚に委任していて、エンタメになるような政局になってやっと関心をもつ。自らの政策の実現可能性が乏しい野党は政局を狙う一方、政府・与党は提案した政策のスムーズな実現が第一なので政局にならないようごまかそうとするので、論点が分かりにくくなる。報道は、論点を明確化して建設的議論を促すべきなのだが、結局、国民がそのようなことを求めているようにあまり見えないこともあって、面倒を避けて、権力を監視するのが役割などと言って国民の求める(視聴率の取れる)安易な政局報道に走っているように見える。

ややずれるが、今のような状態で、記者会見をエンドレスでやれという記者の要求には共感できない。

報道との関係もそうだが、国会審議のあり方自体に問題があるように思う。