HONMEMO

読書備忘録です。

新しい世界の資源地図/ダニエル・ヤーギン

国際政治の地図は、経済、安全保障などはもとよりだが、(それとも関連して)エネルギーをめぐる情勢からも大きな影響を受けて変化してきた。石油、天然ガス、シェール、原子力などを巡る、米国、ロシア、中国、中東のパワーポリティクス(ゲオポリティクス)の歴史を振り返るとともに、気象変動、カーボンニュートラルは今後の新しい地図の決定的要因となるとして、これに伴う様々な動きを概説する。主としてエネルギー面に焦点を当てた国際政治(史)の教科書のような本。

UAEイスラエルの和平の背景には、共通の敵イランの存在などもあるが、シェール革命によるエネルギー自給を達成した米国の中東への関心の低下(の可能性)があるという指摘などは言われてなるほどと思う。

いずれにしても中東についての無知を改めて思う。(何かで読んでもすぐ忘れてしまうのは、この地域があまりに複雑なことに加え、固有名詞が覚えにくいことなどもある。言い訳)

そう言えば、メタンハイドレートはどうなった?

著者は1992年に「石油の世紀」でピュリツァー賞を受賞した経済アナリスト。