HONMEMO

読書備忘録です。

2006-01-01から1年間の記事一覧

ななつのこ/加納朋子

真雪ちゃんが7歳でよかったね・・・。途中から斜め読みに近くなったので、以上で感想めいたことを書くのは差し控える。 ななつのこ (創元推理文庫)作者: 加納朋子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1999/08メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 106回この商…

ロックンロールミシン/鈴木清剛

サラリーマン2年生の主人公は、会社を辞めて、何やらすごくいい加減なのだけれど、「やりたいことをやるんだ」という意欲に溢れている高校の同級生たちのデザイナーズブランドの立上げ、展示会出品準備を手伝う。結局それは挫折することになるのだけれど、最…

藤原正彦推薦本

読売の読書サイトに、藤原正彦の推薦本に関するコラムがUPされて、気になる本が結構あるので、備忘のためリンクを貼っておく。 http://www.yomiuri.co.jp/book/column/pickup/20061107bk02.htm

魂の森を行け/一志治夫

その土地本来の植生を考慮した森林を再生させようと奔走する植物生態学者宮脇昭を追うノンフィクション。家庭を顧みず、研究一筋、しかも学者でありながら、象牙の塔にこもらない行動の人であり、宗教家であったなら大教祖になっていただろうと評されるよう…

世田谷・松陰神社

世田谷の代官屋敷、郷土資料館から松陰神社へ。思ったより立派な構えだった。吉田松陰の墓がある。処刑された後、高杉晋作らがここへ埋葬したということだ。松下村塾のレプリカまであって、へえ。

天涯の船/玉岡かおる

明治半ば姫さまの身代わりとしてアメリカへ渡り、オーストリア人貴族と結婚して欧州へ、ニ度と日本の土を踏むことのなかった女性と、松方コレクションで知られる松方幸次郎をモデルとした男との大ロマン。大恋愛ってのはちょっと苦手なのだけれど、こういう…

教科書でおぼえた名詩/文芸春秋編

昭和20年代から平成8年までの教科書1500冊余から編んだ詩歌集。「教科書で」ということだけで引いてしまうが、私のような素人の入門書としてはなかなかいいのではないかと思う。秋の百冊フェアだかで平積みされているのをパラパラめくっていて、タイトルだけ…

神田から上野の森

老舗かんだやぶそばで昼食。趣きある建物。行列が出来ていたけれど、それ程待たずに入れた。そば屋で腹いっぱいになろうってのがそもそも間違いなのだろうけれど、せいろ2枚ではちと足りず。まあ話のタネってことで。 その後、秋葉原のホコテンを北上して上…

TV

高尾紳路本因坊名人位奪取 NHKBSで夕方ライブで放送していた。本因坊との2冠は5人目とか、6人目とか。インタビューとかも訥々として好ましかった。大三冠めざして精進を続けて欲しい。秀行先生も嬉しいことだろう。 女子バレー 女子バレーボールって完全にTV…

好きな作家

やや旧聞に属することだけれど、読売と毎日がそれぞれ読書関係の調査の結果を出したようで(ひょっとして読書週間とやらか?)、そのうち好きな作家についての調査結果は、次のとおり。赤川次郎って人気なんだなあ。ほんとかねって気もするけれど。1冊くらい…

上海の伯爵夫人など

ちょっと前にカズオ・イシグロ書き下ろし脚本ということで知って、Bunkamuraで観た。上品な大人の恋愛映画。年齢層が結構高い感じだったが、実際、まあセンター街のお子ちゃまたちには退屈なだけだろう。 時代は第二次上海事変前夜。おそらくは命からがら逃…

小島信夫さん逝去

ごく最近になって「抱擁家族」を読んだだけの私にとって、そんなに大きな感慨があるわけでもないのだが、坪内祐三「「別れる理由」が気になって」が気になって。と言って「別れる理由」が気になっている訳では多分なく・・・。「アメリカン・スクール」はい…

日の名残り/カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロは、これで3作目。これも良かった。上品で静かに哀しい物語。丸谷才一の解説が簡潔かつ要を得ている。 日の名残り (ハヤカワepi文庫)作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2001/05メディア: 文庫購…

ららら科学の子/矢作俊彦

矢作俊彦って、全共闘世代のアイドル的存在なのだろうか?ちょっと前のこと、内田樹と高橋源一郎と矢作の3人での対談だか何だかがあって(まあ要するに酒を飲んだらしいのだけれど)、そのことを内田と高橋がそれぞれとっても嬉しそうにネット上で書いていて…

わらうべし。

都心の本屋を覗いたら、村上春樹を大展開。ノーベル文学賞はずれて、大いにわらうべし*1。いやというほど売れてる作家なのによくやるよ。朝日新書はくせにさせようと画策したり??、ご苦労なことだ。加藤典洋のイエローページの文庫化もこの流れにのったもの…

空夜/帚木蓬生

二組の不倫のお話であるにもかかわらず、どろどろしたところが全くなくて、とても上品な物語という感じを与えるのだけれど、それゆえに空々しいというか薄っぺらな感じが否めない。渡辺淳一路線を狙っているのではあるまいなと思ったりするところもあったり…

上海の伯爵夫人

昨日の朝日新聞朝刊に、カズオ・イシグロの取材記事が結構大きく出ていた。「わたしを離さないで」に関するもののほか、カズオ・イシグロ書き下ろし脚本の映画「上海の伯爵夫人」について。まもなく公開のようだ。監督は、「日の名残り」や「眺めのいい部屋」…

木村尚三郎さん逝去

学生の頃、「ヨーロッパとの対話 (角川文庫)」「和魂和才のすすめ (角川文庫 白 262-5)」などを読んだ。軽妙洒脱な話しぶりを思い出す。ご冥福をお祈りします。

転がる香港に苔は生えない/星野博美

97年中国返還前後の香港の人々の姿を描いた大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。著者は、最後に、 香港の特殊性は、元をたどればほぼほとんどの人がここ以外の土地から流れてきた移民だったという点に尽きる。この場所は永遠ではない。土地も国家も信用に値し…

文学賞メモ

第1回中央公論文芸賞は、浅田次郎「お腹召しませ」か・・・とよみうりの読書サイトでみつけて、中央公論のサイトを覗いてみたら、決定は8月末という大昔だった。ついでに、同じ頃、谷崎潤一郎賞も決まっていたようで、小川洋子「ミーナの行進」とか。→本よみ…

熊の敷石/堀江敏幸

先日読んだ「いつか王子駅で」がとても良かったので。これも素晴らしかった。 うごめく熊の絨毯の夢、目の見えない赤ん坊の目を塞がれた熊のぬいぐるみ、熊の敷石の寓話。「なんとなく」という感覚に基づく相互の理解があると思っていたユダヤ系の友人ヤンと…

私が殺した少女/原籙

久しぶりにハードボイルド。「そして夜は甦る」を読んだ後に買って1年以上積んでいた。これぞハードボイルドって感じは変わらず。といって、「そして夜は甦る」の内容は忘れちまってる・・・ほんの1年半ほど前に、あ〜面白かった、と思って読んだ本なのに。…

小春日和(インディアン・サマー)/金井美恵子

小春日和というには季節が早いのだけれど、先週末抜けるような青空の下を散歩している時に「小春日和」というタイトルが目に飛び込んできたという感じで、思わず購入した。 この作家もはじめて読んだのだが、うひゃひゃひゃという感じで楽しめた。主人公の桃…

等々力渓谷→表参道・原宿

3日続けてとてもいい天気で、今日も散歩に。等々力渓谷は20年近く前にかみさんといった記憶があって。世田谷の秘境は変わらず涼やかだった。その後安藤忠雄の設計ということもあって、表参道ヒルズを見に行く。いろんな意味で、目が回りそうだった。ついでに…

家守綺譚/梨木香歩

なぜだか分らないのだけれど集中できず、それ故あまり面白いとは思えなくて・・・こういう不思議話は基本的には好きなのだけれど。気分の違う時に読むとまた印象も違うかな?「西の魔女が死んだ」もそれ程いいとは思えず、そういう意味では相性が悪いのかも…

九段から神保町

靖国神社遊就館 散歩がてら何かと話題の遊就館を見に行く。30分もあれば見られるのかと思っていたら大違い。映画を見るでもなく、2時間位かかった。皇国史博物館という側面と第二次大戦における遺品等を陳列するという側面の大きくは2つの面があるように思…

谷根千を散歩

根津神社→往来堂書店→菊まつり(大円寺)→谷中墓地→パティシエ・イナムラショウゾウ→黒田記念館というコースで散歩。 根津神社:つつじが咲いてないと静か? 往来堂書店:店長さん(id:oiri)がはてなで書いてられますね。たまたま見つけたのだけれど、小さな…

いつか王子駅で/堀江敏幸

この作者の本ははじめて読む。龍の刺青をしている印鑑職人の失踪ではじまり、なんとその話は収拾されずに、大家の娘の咲ちゃんが200メートル走を一所懸命走っている(競馬馬のような・・・って扱いにもとれるのはひどいぢゃないか)ところで終わるのだけ…

マシアス・ギリの失脚/池澤夏樹

ミクロネシアの島国の大統領マシアス・ギリは、戦後日本との関係を背景に発展を図るが、その不正を島の長老、巫女達に暴かれ、長老会議による「もはや尊敬せず」との宣告を受けて従容として大統領職を下り、そして・・・といった筋だが、様々なエピソードが…