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読書備忘録です。

葬られた王朝/梅原猛

 古事記などに表れるスサノオオオクニヌシの出雲王朝は、単なる神話か実在のものか。かつて、著者は「神々の流竄」で「大和に伝わった神話を出雲に仮託したもの」としていたが、本書では、荒神谷遺跡などの新たな考古学的発見、古事記日本書紀などの成り立ち、当時の政治状況などを踏まえ、出雲神話は、(出雲における)歴史的事実を反映しているものと結論する。
 銅剣、銅鐸の×印の解釈なんか、素人目には大胆過ぎるのではないの?と思われるところもあって、学術的には仮説の域にも達するのかどうなのか、などと思ってしまうけれど、とにかく面白くていい。古代史は、なかなか検証が難しいから、大胆な仮説が楽しい。

葬られた王朝: 古代出雲の謎を解く (新潮文庫)

葬られた王朝: 古代出雲の謎を解く (新潮文庫)