殺人を犯したのち仮出獄した主人公に次々に試練が訪れて、主人公に感情移入して涙してしまいます。主人公が人を殺すまではその辺のチンピラ風だったと思われるのに、出所してからは聖人のような保護司の助けもあって、まさに「人間的な」自らの内面を真摯に見つめる人間として描かれているので、思わず、主人公の身になって、負けるな、頑張れと応援してしまうのですね。被害者側の方のやり口がやや極端な感じはありますが。
この作者の作品はしばらく読んでいませんでしたが、またぼつぼつ読もうかなと思います。「奪取」を超える大傑作を読める日を期待します。
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