表題作のほか、「GIブルース」、「白夜のオルフェ」、「霧のカレリア」、「艶歌」からなる昭和42年上梓(文庫は昭和50年)の著者第一作品集です。著者の作品をまともに読んだのは初めてです。中学生のころ、「青春の門」があたかもエロ本のごとく語られていて、回し読みされていたのが懐かしいです。
本書あとがきで、「私は自分の作品を中間小説とも大衆文学とも思ってはいない。私は純文学に対応するエンターテインメント、つまり<読み物>を書いたつもりである。…<読み物>にも読み物の思想と方法がある。」と高らかにエンターテナー宣言をしているのですが、この短編集はエンターテナーまたはその周囲の人を主人公とする物語となっていて作品自体の中にもそのような考え方が滲んでいるように思います。
- 作者: 五木寛之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1975/11/14
- メディア: 文庫
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