1968年、初めての単独無寄港世界一周ヨットレース。半世紀前の通信や位置情報技術では、ヨットとのコミュニケーションや位置の確認もままならない。
9人の参加者の経験、技量や参加の目的、ヨットの性能もさまざま。ヨット製作、調達や出航準備からして個性的であったり、適当であったりの想像を超える自由さ。出航してからも強烈な孤独との戦いという面は共通するものの、レースへの取り組み姿勢も求道者的な者から山師的な者まで様々で、過酷な状況の中で、参加者は厳しい、あるいは驚くべき決断をする。人間性が剥き出しになる恐るべきレースの記録。全く知らなかった。