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読書備忘録です。

独ソ戦/大木毅

ドイツの対ソ戦は、戦争目的を達成したのちに講和で集結するようなものでなく、人種主義に基づく社会秩序の改変と収奪による植民地帝国の建設を目指す「世界観戦争」であり、かつ(それ故に)敵の生命を組織的に奪っていく「絶滅戦争」であった。また、ドイツ国民の生活水準を維持するための「収奪戦争」でもあった。

対ソ戦は、通常戦争、世界観戦争(絶滅戦争)、収奪戦争の複合戦争という説明なのだが、ベン図で示された模式図は、よく分からない。(例えば、通常戦争でない収奪戦争と通常戦争である収奪戦争の違いって何だろう?) 。通常戦争が絶対戦争に変質したというが、絶対戦争という概念もよく分からない。クラウゼヴィッツのいうそれとは違うようだ。理性を欠いた撤退を認めない戦争という趣旨か。

世界観戦争は、あまりに悲惨だが、冷戦終結後も、偏狭な宗教の世界観によって引き起こされている戦争にあてはまるのだろう。

 

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)

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