平松洋子は、山田詠美が選者のドゥマゴ文学賞受賞で知っていて(2006年か...)、今回本書はたまたま図書館で目立つところに紹介されていたので手に取った。
日本の普段の食卓には、和食とは異なる様々な味が参入して、ハレの気配が漂い、非日常が日常になってしまった。それが日本の食卓の個性ということもできるかもしれないが、本来日常の食卓は、同じ繰り返しに映るもので、その中に素材の変化がもたらす自然のリズムが息づいている、季節の定点観測所であると。
クエン酸サイクルやら血液サラサラとか、なんだかなもちょろっとある。
巻末の東海林さだおとの対談にあるコンビニのおでんの匂いがきらいというのは、なるほど。惣菜などもそうだが、濃い味、強い香りがうける時代で、この匂いが日常のおいしいになりつつあるのかもしれないが、著者の「おいしい日常」とは違うということだろう。
腐乳は知らなかった。早速トライしたい。