官僚制について政治思想史の文脈で考えるもの。やはりマックス・ウェーバーの官僚制論が出発点となる。
以下、著者による要約を中心にしてメモ。
・官僚制へのネガティブな評価は、ここ何年かの日本に固有の問題ではない。官僚制の歴史は官僚制批判の歴史。
・官僚制は民主主義と対立するが、民主化には官僚制が不可欠である。
・官僚制支配の正当性の危機は、経済の停滞により顕在化し、政府の規制を最小限にすべきとする新自由主義がその不満に応える1つの有力な立場となる。
・グローバル化による流動化が進む中で、官僚制は鉄の檻というメタファーは成り立たなくなってくる。このような中で鉄の檻官僚制と戦うカリスマ的リーダーというイメージを作り、これに期待するのは時代錯誤
・ウェーバーの官僚制論は、新自由主義に対抗する公行政とデモクラシーの理念の代弁者として読み直されつつある。
トランプなんかを念頭に置くとわかりやすい。