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読書備忘録です。

鳥肉以上、鳥学未満/川上和人

鳥類の筋肉、骨格のお話。独特のギャグは、ほとんどすべってると言って良いと思うのだが、そのせいでこういう内容でも読み進められるのは事実。

 

鳥肉以上,鳥学未満.

鳥肉以上,鳥学未満.

 

 

 

日本人の神/大野晋

神の祭祀は、今日の政治の運用に対する基本的考え方、対処の仕方の原型。すなわち、金品を権力者に贈与することによって、下賜される便益を享受しようとする行動の原型であり、ハラヘの考え方は、罪過、公害、公金私用などは隠蔽し、先送りすればいずれ消失するに違いないとする考え方の原型。

また、神との間の契約の考え方、自己規律の観念はなく、人間は成り行きとして生まれ、自然の中でよしとされる明るい、清水のような心を持てば、食料が得られ、繁殖行為を営んで死んでいく。それを繰り返すところに世界があるとする考え方がある。

 

日本人のカミの観念、信仰(さらには、言語、文化)は、南インド、タミルに由来するのではないかという有名な仮説。

 

本書のある意味キモという部分かもしれないが、言語学的検証、解説の部分は、飛ばし読み。

 

日本人の神 (河出文庫)

日本人の神 (河出文庫)

 

 

 

世襲格差社会/橘木俊詔・参鍋篤司

親世代の所得格差が大きい国ほど、その格差が子供の世代につながりやすいことを示す曲線をグレート・ギャツビー・カーブというそうな。アメリカンドリームは否定されている。

 

世襲格差社会 - 機会は不平等なのか (中公新書)
 

 

 

歴史認識とは何か/細谷雄一

いわゆる歴史認識を問うというよりは、政策判断における国際情勢認識の重要性を説くもの。

第一次大戦後、欧米では、これまでにない大規模な破壊と人的損失を経験したことから、国際協調主義、平和主義の流れが強まるが、第一次大戦を天佑として捉え、被害を受けなかった日本は、そのような国際情勢を理解できず、権益確保のみを追求し、孤立していく。

軍の暴走や捕虜虐待などは、日露戦争まで国際的地位の確立のため重視された国際法についての教育が疎かになったことにも原因がある。

現代の歴史教育では、世界の中の日本の歴史という観点が疎かになっている。

戦前の日本が軍国主義という名の孤立主義に陥ったとすれば、戦後の日本は(9条)平和主義という名の孤立主義に陥っているという指摘はなるほど。

 

戦後史の解放I 歴史認識とは何か: 日露戦争からアジア太平洋戦争まで (新潮選書)

戦後史の解放I 歴史認識とは何か: 日露戦争からアジア太平洋戦争まで (新潮選書)

 

 

 

 

知っておきたい仏像の見方/瓜生中

如来、菩薩、天、明王、羅漢・高僧の別や三十二相・八十種好、台座や光背、印や持物など、仏像についての基礎を簡潔にかつ要点を知ることができる。

 

知っておきたい仏像の見方 (角川ソフィア文庫)

知っておきたい仏像の見方 (角川ソフィア文庫)

 

 

 

観光亡国論/アレックス・カー 清野由美

タイトルがミスリーディングだが、観光が亡国の道だというのではなく、観光振興の重要性を大前提としつつ観光亡国とならないための提言を記したもの。

適切なマネージメントとコントロールの必要性を具体事例に即して説く。規制に当たっては一律規制の弊害を説くが、これが現実として難しいところだろう。

- 小型観光は、大型観光(ゼロドルツアーなど)よりメリット

- 観光名所から車を遠ざけるメリット

- 公共工事ハコモノから景観保全

- 大型バスでマナー講座など、看板によらないマナー喚起

- 観光による文化、町の稚拙化、フランケンシュタイン化を防ぐためにも、適切なコントロールが必要

 

観光亡国論 (中公新書ラクレ)

観光亡国論 (中公新書ラクレ)