HONMEMO

読書備忘録です。

誰も農業を知らない/有坪民雄

農業は多様。

遺伝子組換農作物の導入を進めるべき。

農薬は安全。

 

 

誰も農業を知らない: プロ農家だからわかる日本農業の未来

誰も農業を知らない: プロ農家だからわかる日本農業の未来

 

 

 

日本の同時代小説/斎藤美奈子

最近、小説に関心をなくしたので知らなかったが、大震災以降、純文学ではディストピア小説が流行していると。著者はその先を示せないことが純文学における読者離れの原因の一つと指摘する。確かにそんな小説読みたいと思わない。

小説は時代の子(時代の先を行くこともあるけれど)だということがよくわかる。斎藤美奈子の見立てということではあれど。

マンボウや狐狸庵のエッセイは、小説から私生活を切り離し、いわば従来の私小説を「自伝的エッセイ=ポスト私小説」としてリニューアルして新しい商品価値を与えた、という指摘は当たり前といえばそうだが、なるほどと思った。

 

日本の同時代小説 (岩波新書)

日本の同時代小説 (岩波新書)

 

 

 

「農業を株式会社化する」という無理/内田樹・藤山浩・宇根豊・平川克美

4人による農業論。

内田樹の文章が表題作。

- 「農業を営利事業にした場合には、確実にモノカルチャーになる。」というが、低コスト単一品種大量生産を狙う企業の一方で、少量高付加価値を狙う企業が、多様性のニーズに応えていくのではないか?

- グローバル経済化といっても幅があり、食料安全保障を確保する方策としては、農地転用規制や株式会社の土地所有規制などを講じる中で、株式会社の良いところを活かすやり方があるのではないか?

- 農業が成立するために不可欠な基盤整備、環境整備のコストを株式会社は負担しないというが、そもそも補助金でかなりの部分が賄われている上、CSRのような動きも盛ん、また、地域コミュニティの上に成り立つものであり、主体が株式会社か協同組合かなどによって異なるのか?

-そもそも、「農業を「営利」事業として語ることは適切でない。」というのでは、農業を家庭菜園程度のものと捉えるものとなり、これでは農「業」を語ることにならない。むしろ、営利事業として語ってこなかったことが農家の経済を苦しくし、農村の荒廃にもつながっているのではないか。

- 最後、地方に移住して株式会社を作って農業をしている若者を評価しているので、なんだか訳が分からなくなるのだが、要するに、株式会社化云々はどうでもよくて、農業の非経済的側面の重要性を説きつつ、反グローバリズム、定常化社会といった理念レベルにおける農業の親和性を述べたかったに過ぎないということか?

 

藤山浩は、田園回帰について。宇根豊は、農本主義(農業の本質、非経済的価値)について。平川克美は、定常化社会のあり方みたいな話。

 

共通する農業の非経済的価値の強調はいいのだけれど、大きく言えば定常化社会に対応するための経済政策の大転換を求めるものであり、具体に農業政策について言えば、直接所得補償(環境支払)に多額の税金を使うことに理解が得られるかという問題でもある。

 

内田センセは、対案を示せという批判に対して、私はちょっと立ち止まって考えたらどうかと言っているだけだと逃げる。価値観の大転換を求めるものだから、現実論としてはそこまでしか言えないということか。

 

「農業を株式会社化する」という無理 これからの農業論

「農業を株式会社化する」という無理 これからの農業論

 

 



 

草薙の剣/橋本治

橋本治が生きた時代の自画像というか、私小説がある小説家の物語であるなら、これは「時代」の私小説というような趣きがある。巡礼、橋という小説の系譜ではあるが、本書はそれらを含む橋本治の小説の試みの集大成なのだろう。本書を遺して本望では?

合掌

草薙の剣

草薙の剣

 

 

 

さいはての中国/安田峰俊

-深圳のネトゲ廃人  (NHKで同様の特集を見た。)  社会主義中国の経済社会の矛盾

- 広州のリトルアフリカ 中国がアフリカに大々的に投資をしている一方で、実はアフリカからの移民が相当程度ある。アフリカ移民に対し、中国人が「連中は声が大きくて態度が傲慢だ。…自国のルールだけで生きていて、中国の文化を尊重しない」とか言っているのは笑う。

- 習近平の聖地 独裁体制の不気味

- 鬼城 中国の歪んだ不動産投資、都市開発

- 歴史問題が問題化するかどうかは、結局、中国当局の都合次第。真面目に付き合うとバカを見る。

 

 

さいはての中国 (小学館新書)

さいはての中国 (小学館新書)

 

 

 

リーダーを目指す人の心得/コリン・パウエル、トニー・コルツ

著者の経験から身を持って語る優れたリーダーシップ論。マイ・アメリカン・ジャーニーに続く自伝的要素もある。

大量破壊兵器を所有しているとしてイラク戦争に突入した「消せない過ち」についても率直に語っている。

今は講演を主たる業としているようだが、大統領候補にも擬せられた人だけに、何やらもったいない、今の大統領と(以下略)

 

 

リーダーを目指す人の心得 文庫版

リーダーを目指す人の心得 文庫版

 

 

 

 

 

こわいもの知らずの病理学講義/仲野徹

学術的内容を、一定の水準を維持しながらやさしく説明するのは難しいこと。本書は、もっとくだけた内容を想像していたが、なかなかに真面目な本で、勉強になりました。

 

こわいもの知らずの病理学講義

こわいもの知らずの病理学講義