藤沢秀行「野垂れ死に」からの囲碁つながりで。以前から読みたいと思っていた本。
本因坊秀哉の引退碁(相手は木谷實当時七段)に題材を取ったもの。持ち時間40時間、半年にわたって打ち継がれたという。
名人の死を前にした鬼気迫る対局なのだが、両者ともに、結構人間味あるワガママ(この一局に賭ける真剣さの表れなのだが)が何やらユーモラスにも思えてしまう。囲碁を少しでも知っている方が楽しめる本ではあろう。情景描写の美しさは流石というべきか。
- 作者: 川端康成
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1962/09/07
- メディア: 文庫
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