リプリー/パトリシア・ハイスミス

　一昨日この本を読み始めたところ、偶然にもNHKBSでルネ・クレマン監督アラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい [DVD]」を放映していた。30年も前にTVで見た記憶があるのだが、こんなに素晴らしい映画だったかと改めて確認した。ぎらつく太陽などイタリアの風景、光の美しさ、撮影のテクニック、ニーノ・ロータの音楽などもそうだし、原作とは異なるラストシーンも素晴らしい。二枚目俳優の典型のようにいわれるアラン・ドロンだが、アラン・ドロンって単に男前ってだけではなくて、凄い俳優だなと思った。
　映画が原作より面白いということは稀なのだが、この作品については映画「太陽がいっぱい [DVD]」に軍配が上がる。マット・デイモン主演のリメイク「リプリー [DVD]」は見ていないので何とも言えないが、「太陽がいっぱい」と比べられたら、たまらないのではないか・・・というか、リメイクしようというその根性を買うというべきか。

リプリー (河出文庫)

　河出文庫はリメイク版「リプリー」の公開が終わってまた「太陽がいっぱい」というタイトルに戻しているのかな。ご苦労なことだ。ISBN:4309461255
角川文庫のタイトルは以前から「リプリー (角川文庫)」なのかしら。