イスラエルの諜報機関モサドの事件ファイル。著者は、イスラエルのジャーナリストで、国会議員も務め、ベングリオン首相らの公式伝記も執筆したということ。
アイヒマンの探索・拉致、黒い九月やヒズボラなどのテロリストの暗殺など、いわゆるインテリジェンスを超えて、拉致、暗殺といった活動も生々しく描かれる。下手な小説よりスリリング。
モサドは、国家ベースのテロリスト集団とも評価しうるだろう。ユダヤの古いことわざに
だれかが殺しに来るのなら―立ちあがって、その男を先に殺せ
というのがあるそうだが、その建国の事情から周辺諸国・民族と厳しく敵対せざるを得なかったイスラエルの生存のためのギリギリの行為であるかもしれないが、手放しで是認されるものではなかろう。国際政治は食うか食われるかではあるものの。
- 作者: マイケルバー=ゾウハー,ニシムミシャル,Michael Bar-Zohar,Nissim Mishal,上野元美
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/01/09
- メディア: 単行本
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