何年か前、日本でもハチがいなくなったと騒ぎになった。その少し前、アメリカ・欧州でも蜜蜂が姿を消していた。Colony Collapse Disorder(CCD)と呼ばれるその現象の原因を、農業の実情から詳細に解説するノンフィクション。
原因は今でも必ずしも科学的に明らかになっていないようで、ウイルス説、ネオニコチノイド農薬説、ストレス説などがあり、これらの複合要因説というのが有力なようだ。
亜致死量の化学物質に長期間にわたり暴露した時、さらには複数の化学物質に暴露し続けたときの(ハチにとっての)安全性はどうなのか、ということがよくわからない。
ただちに食の安全性の問題ではないものの、農業生産に甚大な影響を及ぼすもので、大量生産、効率を追求する現代農業のあり方について大いに考えさせられた。養蜂ってのは、蜂蜜を取るためだと思っていたが、アメリカなどでは受粉のためのビジネスになっているというのには驚いた。
キーワードは、「復元力」。解説の福岡伸一の言う「動的平衡」。
蜂群崩壊症候群 - Wikipedia
- 作者: ローワンジェイコブセン,福岡伸一,Rowan Jacobsen,中里京子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (10件) を見る