1965年から71年にかけて、独立後間もないルワンダの中央銀行総裁を務めた日本人の記録。
著者は、中央銀行総裁の本来の責務たる平価切下げと二重為替制度の廃止のみならず、大統領からの信任を得て包括的な経済対策を立案し、現地の、特にルワンダ人の声をよく聞いて、農民の所得向上、民族資本の育成などを通じて、70年代から90年ころまで「アフリカの優等生」と呼ばれるようなルワンダ経済発展の基礎を築いた。
日本とは馴染みのない、経済的関係も非常に薄いルワンダ、その国民のために、精力的、積極的に尽力する姿には、真に敬服させられる。
その後、ルワンダ紛争、大虐殺という悲劇があったが、最近は亡命知識人が帰国するなどして再び大いに発展しているというTVドキュメントを見た記憶がある。本書を読むと、なんだかルワンダの一層の発展を応援したくなる。
- 作者: 服部正也
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/11
- メディア: 新書
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