ネタバレ。
俺は、オレオレ詐欺を働いたことをきっかけに他人の息子と間違われ、一方、自分の実家には、俺がいた・・・。俺は、次第に増殖し、なんでも分かり合える感覚を共有するコミュニティを形成するが、周り中が俺となるに及んで、相互に「削除」を始める。その先の復活とは・・・。
カバー裏にある「同調圧力が充満するストレスフルな現代社会を笑う」というのもあろうが、人間みなが持つ自己嫌悪感、弱さを見せつけられることの耐えがたさ、ということでもあるように思う。カフカ、安部公房になぞらえられるシュールな物語。大江健三郎賞受賞。
- 作者: 星野智幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/03/28
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (9件) を見る