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読書備忘録です。

日本の同時代小説/斎藤美奈子

最近、小説に関心をなくしたので知らなかったが、大震災以降、純文学ではディストピア小説が流行していると。著者はその先を示せないことが純文学における読者離れの原因の一つと指摘する。確かにそんな小説読みたいと思わない。

小説は時代の子(時代の先を行くこともあるけれど)だということがよくわかる。斎藤美奈子の見立てということではあれど。

マンボウや狐狸庵のエッセイは、小説から私生活を切り離し、いわば従来の私小説を「自伝的エッセイ=ポスト私小説」としてリニューアルして新しい商品価値を与えた、という指摘は当たり前といえばそうだが、なるほどと思った。

 

日本の同時代小説 (岩波新書)

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