気になっていた本の文庫化で、嬉々として購入。幻冬舎文庫??げっ・・・幻冬舎って、こういう本も出すんかい。それはともかく、
「風の歌を聴け」は、・・・「気分が良くて何が悪い?」というポップスの気分で書かれた日本で最初の小説である。この小説は、これまで日本の戦後の文学を導いてきた、「金持ちなんて・みんな・糞くらえさ。」の声に、そうではない、全く異質な感情が取って代わるさまを描いた、ある意味で日本の精神史上画期的な意味を持つ小説なのである。
とか、この点に関する村上龍との共通性と相違など、興味深く読んだ。鼠は幽霊であるというのも、そう断定しなくてもいいようにも思うけれど、それならそれでもいい。私にとっては、ポップな気分と幻想的雰囲気が、新しく、心地よく思えたということだけだけれど。
まあしかし、私ごときにはちと難しい。「ピンボール」「羊」「世界の終わりと・・・」とか、読み直さないと忘れてるし。気分の乗ってるときにじっくり読み直したい本ではある。
- 作者: 加藤典洋
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/08
- メディア: 文庫
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