2年と少し前のベストセラーの文庫化ということで、今更ながらではあるが読んでみた。
「リスク化」と「二極化」をキーワードに、経済面、家庭面、教育面と幅広い観点から現状を分析していて、説得力がある。若者の「不良債権化」という言葉に背筋が寒くなった。
今後の処方箋については、そのヒント、アイデアがサラッと提示されているだけなのがちょっと残念だ。
学校・職業訓練システムにおいて、卒業・資格取得と就職・収入の保障をリンクさせたメカニズムをを作るという提案はシステムを作るのが結構難しそうだが、できれば良いことだ思う。
一方、職業カウンセリングのシステム化というのは、理屈はわかるが実効が上がるのだろうかという気がしないでもない。個人的にはカウンセリングとかコンサルティングって業者だけ儲けて効果が上がらないというイメージがある。
若者に対する「逆年金」というのは何だろうか…怪しげな感じだ。
希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く (ちくま文庫)
- 作者: 山田昌弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/03
- メディア: 文庫
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