戦争の地獄と心理をリアルに描いた名作に、開高健「輝ける闇」や大岡昇平「俘虜記」などがありますが、本書は、二十歳にならない若者の一人称で語られているということもあって、ちょっとセンチメンタルだったり、微笑ましかったりするところもある一方で、死(殺すこと、殺されること)と向き合わざるを得ないことがいかに非人間的なことであるかがより強く迫ってくるように思います。
記憶にないのですが、昔映画を見たことがあるのでしょう。いくつかのシーンに既視感がありました。またDVDを借りて観たいと思います。
昭和4年の作品。新潮文庫の初版は昭和30年ということもあって、翻訳は、賞味期限切れ。新訳が望まれます。
- 作者: レマルク,秦豊吉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1955/09/27
- メディア: 文庫
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