HONMEMO

読書備忘録です。

出世ミミズ/アーサー・ビナード

 日本とのかかわり十数年、著者‘朝・美納豆’氏は、米国で生まれ育ったとは思われないほど美しい日本語をあやつり*1、俳句、短歌はもちろん、謡い、落語など伝統的な日本文化に対する造詣も深い。本書は短い文章の集まりながら、様々に気づかされることが多かった。人柄がにじむ良い文章だと思う。私は斎藤孝の本を読もうという気が起こらず、実際読んだこともないので、論評する資格はないのだが、朝氏による「声に出して読みたい日本語」批判は痛烈だ。講談社ノンフィクション賞受賞の「日本語ぽこりぽこり」なども読みたい。

出世ミミズ (集英社文庫(日本))

出世ミミズ (集英社文庫(日本))


519円@渋谷の本屋さん

*1:「釣り上げては」で中原中也賞を受賞