副題は、「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史。
「演歌」とは、「日本固有」の「伝統的」な表現ジャンルではなく、昭和40年代以降、レコード歌謡の製作スタイルの大転換の過程で「時代遅れ」とみなされるようになった古いタイプのレコード歌謡を「演歌」と呼んだ。そのようなスタイルは、レコード歌謡成立当時は、「舶来風」の「モダン」のモダンなものであった。「演歌」が現在のようなイメージを纏うのに、五木寛之の小説「艶歌」、新左翼の論壇などの影響があった。
演歌とか歌謡曲といわれるものに関心の薄い者にも面白く読める。
創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 (光文社新書)
- 作者: 輪島裕介
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/10/15
- メディア: 新書
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