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読書備忘録です。

オオカミの護符/小倉美恵子

 川崎市土橋は、今では東京のベッドタウン、閑静な住宅地だが、高度成長までは農地が広がっていた。著者はその土橋の農家の娘として育ち、御嶽神社の「オオカミの護符」を目にする。そこから、御嶽講というコミュニティーや、オオカミ信仰、山岳信仰などについて調べていくのだが、その内容自体興味深いこともさることながら、そんな中で、著者が子供のころ嫌っていたかつての百姓の暮らし、生き方、そのコミュニティーのあり方を再評価しようとするところが本書の趣旨であるかもしれない。

オオカミの護符

オオカミの護符