オックスフォードで教鞭をとる著者がオックスフォード、イギリスの教育・研究の仕組みなどを紹介するとともに*1、ニッポンの大学教育の改革の方向について論じた示唆に富む本。
日本社会では、大学は、教育の総仕上げをする場として期待されてこなかったし、そのための責任も課されてこなかった。大学は、自由な時間を提供して「体験学習」を行う場にでよいとされている(読み書きなど基礎知識は高校までに得られ、職業的な知識・経験は長期雇用を前提にOJTによって獲得されればいい。)。
そんな状況を改革するために、エリート教育のあり方も踏まえて、東大の秋入学の提案を契機として著者が提案する大胆な提案の行方は如何に。
グローバル化時代の大学論2 - イギリスの大学・ニッポンの大学 - カレッジ、チュートリアル、エリート教育 (中公新書ラクレ)
- 作者: 苅谷剛彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/10/09
- メディア: 新書
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