ハンセン病により23歳で亡くなった作家北条民雄の生涯。「聖の青春」に描かれた棋士村山聖もそうなのだが、死と向かい合いながら不朽の仕事を残す人は、周りを困惑させるような尖った自我を持っている人なのかもしれない。そうだからこそ、その仕事、才能が認められるためには、北条には川端康成、村山には師匠の森という人間との出会いがまた不可欠だったのではないか。
川端康成って、「いい人」だったんだな。いい人でもいい作品が書ける。でもいい人だから自殺するということかもしれない。「いい人」って言われるようでは(言われようと思っては)いけないんだよなぁ。
北条の「いのちの初夜」は、今も角川文庫で入手可能なようだ。読んでみたいと思う一方、怖い気もする。
- 作者: 高山文彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/06
- メディア: 文庫
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