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読書備忘録です。

アンジェラの灰/フランク・マコート

 アイルランド系米国人(アイルランド人?)フランク・マコートのアイルランドで育った少年時代の自伝。ピュリッツァ―賞受賞作。呑んだくれで、稼いだ金はもちろん失業手当まで飲んでしまう父親のせいで極貧の生活を強いられながら、それでもその父を憎めないフランク。悲惨を極める生活なのだけれど、健気に逞しく生きるフランクに勇気付けられ、また、そんな中に漂うユーモアに救われる。
 アイルランド対イギリス、カトリック対プロテスタントの対立の先鋭さ、根深さがよくわかる・・・IRAは武装解除に応じるだか和平のプロセスが進んでいたように思うけど、どうなっていたっけ。

アンジェラの灰 (上) (新潮文庫)

アンジェラの灰 (上) (新潮文庫)