今年は少し古典(といっても明治から昭和初期)を読もうかなという気分があって。
昭和11〜12年頃の墨東すなわち向島界隈の風情が、朝日新聞連載時の木村荘八の挿絵とともに、しっとり豊かに描かれる。今から見ると、作後贅言という後書き的な文章のところで書かれている当時の銀座などの最新風俗も大層興味深くて、私などは、これと比べてみてはじめて墨東の位置が理解できた気がする。*1
- 作者: 永井荷風
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1991/07
- メディア: 文庫
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ISBN:4101069069
105円@ブックオフ
*1:墨東綺譚の墨は本当はサンズイに墨。「奇譚」かと思っていたら「綺譚」なんだ。「綺」っていうのは綺麗の綺だけど、きれいとか洒落たとかの意味なのかな?