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読書備忘録です。

反ポピュリズム論/渡邉恒雄

ポピュリズムというのは、エリート主義、官僚主義というに近いということでもある。

橋下徹大阪市長が掲げる「維新」は、スローガンが先行して政策の具体的な中身があやふやなところなど、パパンドレウの「変革」に似てはいないか。戦後日本の復興を牽引した霞ヶ関の官僚たちに対する飽くなきバッシングは、ギリシャの政治家たちが競ったエリート攻撃と「特権なき人々」への追従に重なり合うところはないか。
「衆愚」政治に日本の政治が堕ちていくことだけは、何としても食い止めねばならない。

著者の主張するような反・脱原発とか、消費税20%(軽減税率とセット)とかを提示して実行しようとする茨の道を、ポピュリズムに抗して進める気概ある政治勢力(あるいはその結集の動き)というのは、トンとみえない。
ナベツネが批判するとますます橋下に票が行きそうってところが、ジレンマかな(笑)

反ポピュリズム論 (新潮新書)

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