マラウィの平均的かやや裕福な(?)農家に生まれた少年カムクワンバ君。勉強をして農家の厳しい暮らしから抜け出したいという夢は、大飢饉で学費が払えなくなり、失われたように見えた。そんな中で図書館で見つけた本をヒントにガラクタを集めて発電のための風車を作る。これが注目されるに至って、彼は今米国の大学に学んでいるという。
風車(を作ったカムクワンバ君)に注目をして引き上げたのは、西欧人(と西欧で学んだアフリカの知識人)で、地元の人はこれを旱魃の原因となった魔術的なものと見て、つぶそうとしたりする。彼の成功もまだまだこれからだが、彼はマラウィに帰ってくるだろうか。是非アフリカに戻って、彼の一族、部族を超えて、マラウィのために、アフリカのために活躍してほしい。無関係の私がいうのは全くの余計なお世話だが、カプシチンスキ「黒檀」を読んだばかりということもあって、そんなことを思う。
- 作者: ウィリアム・カムクワンバ,ブライアン・ミーラー,池上 彰(解説),田口 俊樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/11/19
- メディア: ペーパーバック
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