1962年初版のロングセラー。
ビルマ南部で終戦を迎え、英国軍の捕虜として収容所で2年にわたり強制労働の日々を送った記録。
イギリス人は士官と兵とで階級社会を反映した大きな違いが見られ、また、日本人を家畜同様にみている。いかな捕虜であるとはいえ、人間として取り扱われないことで、イギリスに対する憎しみが募っていく。
ヨーロッパ人は、家畜の飼育に馴れているので、捕虜の取り扱いもうまいが、日本人は馴れていない。日本軍において捕虜虐殺やその処遇の問題を生じたのは、そのようなところにも関係があるというのは穿ちすぎではないかとも思うが。
いい加減なインド兵、融通の利かないグルカ兵、親日的なビルマ人などの描写も興味深い。
アーロン収容所―西欧ヒューマニズムの限界 (中公新書 (3))
- 作者: 会田雄次
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1962/11
- メディア: 新書
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (17件) を見る