HONMEMO

読書備忘録です。

幸福の増税論/井手英策

筆者は、2020年までの期間限定で政治をやるとして、旧民進党(前原誠司?)のブレーンとして活動もしているようだ。

本書の構想は興味深いのだが、日本人・社会の思考回路、心理構造を根底からひっくり返して、本書でいう頼りあえる社会を実現する道筋はなかなかに難しいだろう。

そのような社会の実現は、リベラルのサイドから、基礎自治体NPOなど草の根からの取組、理解を積み上げていくという地道な努力が必要なのだろうが、ベーシック・サービスの提供とそれに伴う負担増という方向は、それがあるとすれば、むしろ(田中角栄のように)保守政治家によって実現をみるのではないか。

野党(リベラル)が、増税を掲げて政権を取るという道は余りに非現実的に思える。

 

幸福の増税論――財政はだれのために (岩波新書)

幸福の増税論――財政はだれのために (岩波新書)