挑発的、断罪的な言葉が溢れる中で、審問的語法で語らない内田のスタンスを好ましく感じる。分らないことを分らないと認め、「自分の愚かさを吟味できる知性」を尊ぶその立ち位置は、信頼に足る。橋本治の立ち位置に似ているように思う。
中でも、戦争論、戦争責任論を興味深く読んだが、中国、韓国とどう付き合うのかという政治的文脈の中で、思想あるいは文学はどのような役割を果たすのか・・・。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/08
- メディア: 文庫
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