HONMEMO

読書備忘録です。

ためらいの倫理学/内田樹

 挑発的、断罪的な言葉が溢れる中で、審問的語法で語らない内田のスタンスを好ましく感じる。分らないことを分らないと認め、「自分の愚かさを吟味できる知性」を尊ぶその立ち位置は、信頼に足る。橋本治の立ち位置に似ているように思う。
 中でも、戦争論、戦争責任論を興味深く読んだが、中国、韓国とどう付き合うのかという政治的文脈の中で、思想あるいは文学はどのような役割を果たすのか・・・。

ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫)

ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫)