太宰治賞の「泥の河」、芥川賞の表題作の短編2編。宮本輝に笙野頼子の芥川賞受賞作「タイムスリップ・コンビナート」はわからんだろうななどと前に書いたのだが、実は宮本輝の作品はこれまでに「青が散る (文春文庫 (348‐2))」しか読んだことがなかった。なんといい加減なことよ。
両作ともに、文芸作品とは、あるいは純文学とはまさにこういうものだという感じの古典的風格を感じさせる素晴らしい作品。いいなと思う部分を引用しようとすると、多すぎて収拾がつかなくなるのではないかとさえ思える。水上勉の解説もなかなかいい(角川文庫版)。次は「道頓堀川 (角川文庫 み 6-2)」、「錦繍 (新潮文庫)」を読もうか。
- 作者: 宮本輝
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1980/02
- メディア: 文庫
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