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読書備忘録です。

とめられなかった戦争/加藤陽子

テレビ番組がもとになってるからか、スカスカ感がある。

戦争被害受忍論批判や開拓団のエピソードは、唐突に出てきて違和感。

 

とめられなかった戦争 (文春文庫)

とめられなかった戦争 (文春文庫)

 

 

 

シビリアンの戦争/三浦瑠麗

軍が消極的であるにもかかわらず、シビリアンにより攻撃的戦争が引き起こされる。その要因として、シビリアンと軍人とが分断されていることが挙げられる(犠牲を強いられる兵士と平穏に暮らせる市民の間の意識ギャップ)。このため、その解決策としてあげられるのが、デモクラシーを、政策決定に対する自由な参加とともに、その結果を安全保障コストなども含め応分に負担するような国家=「共和国」に近づけること。これは、徴兵制度、予備役兵制度の拡充などにより、軍の経験や価値観を多くの国民が共有、体験することを意味する。

趣旨は理解できるものの、ハードルが高いというか、筋が悪すぎるというか。むしろ、氏の言う「政治がシビリアンコントロールの確保とは別に軍(及びプロフェッショナルな文民官僚)の専門的助言を聞き入れること」を制度化することが重要ではないか。

プロフェッショナリズムの発展が政治主導の戦争を抑制するという指摘はそのとおりで、デモクラシーのエリートとの関係という論点に発展するのかもしれない。

 

シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき

シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき

 

 

 

日本思想史への道案内/苅部直

 

日本思想史への道案内

日本思想史への道案内

 

 

 

世界共和国へ/柄谷行人

世界共和国への現実的道筋はあるのか?

 

世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて (岩波新書)

世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて (岩波新書)

 

 

 

数学する身体/森田真生

クラーク「認知は身体と世界に漏れ出す。」〜認知タスクの遂行において、脳が決定的に重要ではあるが、多くを身体や環境が担っている場合も少なくない。

道具としての数学は、身体化されると、「行為」(計算)から「思考」(暗算)とみなされるようになる。行為と思考の境界は微妙である。

小林秀雄

 

数学する身体

数学する身体