2020-01-01から1年間の記事一覧
世界は広い。虫の目、鳥の目、魚の目。 めったに見られない瞬間! 作者:ナショナル ジオグラフィック 発売日: 2017/04/26 メディア: 単行本
鶴見俊輔については、日米交換船、日本人は何を捨ててきたのか、北米体験再考と読んできて、何故か気になる思想家。思想の科学も転向についての著作も読んだことなく、ベ平連の活動や安保闘争も中心となったのは私より一世代上で、私としては実感が乏しいの…
これからは、第3の定常化の時代であり、限りない拡大・成長とは異なる新たな社会、価値のありようを形成していくべきとして、時代認識、理念について検討するとともに、様々な方策を提示している。あとがきのまとめから、具体的方策に係る部分を要約、メモし…
イトマン事件の主人公の一人として知られる許永中の自伝。戦後からバブル期に暗躍した在日のフィクサー。自身からみるとイトマン事件は全くの無実、検察の陰謀であると。 海峡に立つ:泥と血の我が半生 作者:許 永中 発売日: 2019/08/28 メディア: 単行本
コケットリーの極北 耽美的マゾヒズム 痴人の愛 作者:谷崎 潤一郎 発売日: 2017/09/28 メディア: Kindle版
本書のテーマについては、いやまさに御同類ということで。半分kindleの使い勝手を試すために。 簡単、なのに美味い!家めしこそ、最高のごちそうである。 作者:佐々木俊尚 発売日: 2014/02/25 メディア: Kindle版
文学史上の記念碑的作品。「蟹工船」は比較的最近話題になって映画化されたりもしていたが、小説として面白いかというと・・・。「党生活者」は、未完のようで、この後の展開が期待されるところで終わっていて残念な感じではある。 青空文庫で。 蟹工船・党…
中学か高校で読んだような途中までだったような。雰囲気は覚えている。 個人主義の広がりなど日露戦争の頃の世相を知識階級の会話を通じて落語のようなリズムで語る漱石先生の処女作にして異色作。 最近は本を買うということがほとんどなくなった。今年はス…
2100年、人口で4割づつを占めるアジア、アフリカ=アフラシアは、否が応にもその存在感を増す。アフラシアは、西欧植民地支配を受けていた地域であるが、その内部に覇権的振る舞いを懸念される大国がいくつかある(中国、インド、日本、ナイジェリア、エジプト…
古事記は、日本書紀と異なり、ヤマト政権の正統性を示すために編まれたものではない。 古事記には、北方系(弥生系)の神話要素もあるが、南方系(縄文系)の民俗や文化要素が濃厚。出雲神話は日本書紀ではわずかしか取り上げられない。 古事記は、聖徳太子が律…
英国ジャーナリスト、バジョットの「近代」概念に照らして、日本の近代の特質を明らかにしようとするもの。 すなわち、東アジアで独自の「議論による統治」を創出し、「貿易」=資本主義化を進めて「植民地化」による帝国を出現させた日本の「近代」の意味を…
宮台、苅部、渡辺による「週間読書人」での2009〜2018年の年末回顧鼎談。民主主義など政治、社会、経済思想的観点からの時事評論と書評。 ・トクヴィル「多数派の専制」 個人が孤独化・原子化していくと小さなコミュニティに依拠できなくなり、見えない権力…
NHKのドキュメンタリーの取材をもとにまとめたもの。 女性抑留者には、看護婦や電話交換手、中には芸者などもいて、看護婦として働いたり、極寒の中を畑仕事をさせられたり、あるいは囚人として矯正労働をさせられたり。男性と同様の重労働は課せられないよ…
タイトルは、分からなくはないが、大きすぎというか。それぞれあるテーマをもとにして、ちょっと地形にも絡めて、色々と考える旅行記という感じ。 ・「岬」 現上皇が皇太子時代に夏を過ごした浜名湖のプリンス岬のこじんまりとした保養所での日々は、当時の…
ボルネオ島に暮らす狩猟採集民族プナンは、反省しない。 プナンでは、寛大な心で与えられたものを最も頻繁に分け与える人物がビッグマンとして尊敬される。彼自身は最も質素。 プナンは、個人所有を前提として貸す、借りるということがなく、共有することが…
第1部で宗派別などに整理して悟り体験を見ていき、第2部で分析、考察。 大乗仏教において悟りとは、真如(法無我=もろもろの枠組みに我(確かな自己)がないこと=仏性)の実見=見性である。 悟り体験は、次の5段階から構成されるという。 1 自他忘失体験〜通常…
クライムノベル3部作の一つだそうだ。公金横領事件や暴力団抗争など実際の事件をモデルにしていて、いかにも通俗的なエンターテイメント小説の趣。ただ、ほとんどポルノといっていい手紙や、熊野の山岳信仰や補陀落信仰などの背景、籠の鸚鵡のようなカヨ子が…
著者は、オックスフォード大学難民研究センター主任研究員。ロンドン大学で博士号取得のため必要な「難民の経済生活」調査のため、2008年にガーナのリベリア難民キャンプに入り、1年余を現地ブジュブラムで暮らす。 難民が受け入れ国に滞在する期間は平均で2…
日銀から地方国立大教授、私大理事長を歴任した著者のスペイン巡礼記。スペイン巡礼に行こうという人には参考となるところもあろう。 スペイン巡礼 緑の大地を歩く 作者:渡辺 孝 発売日: 2019/04/24 メディア: 単行本(ソフトカバー)
国技、伝統、品格の相撲もこの著者にかかると、なんだかゆるゆる、ほんわか。独特のユーモアの中に戦時中の相撲などへーもあって、くせになる。 おすもうさん 作者:高橋秀実 (たかはし・ひでみね) 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2010/08/24 メディア: …
表紙がおちゃらけているが、中身はまとも。 問題なのは、著者も指摘するとおり、この手の本は読むべき人が手に取らないこと。また、手に取っても考えを変えようとしないばかりか、自らの考え方に周囲を同調させようとすること。 本人が困るだけならいいが、…
ネタバレ 大規模な違法インターネット薬局事業、ソマリアでのマグロ漁(セーシェルのクーデター偽装目的)、武器や麻薬取引など闇の世界の元締め、殺人も意に介さない特異な人格ル・ルーの物語。 アメリカでも異例と受け止められているようだが、犯罪組織のト…
小川洋子と堀江敏幸による架空の往復書簡。 連歌のような? 楽しんで書いてるような気が(憶測) あとは切手を、一枚貼るだけ (単行本) 作者:小川 洋子,堀江 敏幸 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2019/06/18 メディア: 単行本
韓国の政治は、北朝鮮との分断という歴史を背景に、国内的にも保守派と進歩派に分断され、厳しく対立するという状況が規定している(南南葛藤)。 分断は、帝王的大統領制度と幅広い政治任用が助長している面があり、「大統領選挙の翌日から次の選挙を睨んだ権…
主人公緒方は、基本的に真面目、真っ当な人間なのだが、不当な解雇や配偶者の裏切りなど次々に不条理に見舞われ、ついには強盗の片棒を担いで刑務所へ。出所してのちも不運は続き、衝撃のラストへ。 最後「俺の最初の躓きは何だったのか」と、来し方を振り返…
二十四節気ごとに、七十二候の一つをタイトルとして、著名作家が掌篇を書き下ろしたアンソロジーの秋冬編 著者は、西村賢太、重松清、町田康、筒井康隆、長野まゆみ、柴崎友香、山下澄人、川上弘美、藤野千夜、松浦寿輝、柳美里、堀江敏幸 掌篇歳時記 秋冬 …
シンガポールからの東大留学生による体験的言語論・コミュニケーション論・ニッポン論。 ジュニア新書らしい、ティーンに読んで欲しい書。 ・今の日本では出る杭は打たれる。→多様性が拡大すれば(多様性の認識が深まれば)杭が出ているかどうかは重要でなくな…
ポピュリズムから、情報を的確に収集・分析・評価して「大きな絵」を描くプロフェッショナリズムへの回帰を主張する憂国のパンフレット。 著者が携わってきた対米国、中国、韓国、北朝鮮外交について、著者の考える大きな絵をザックリ知ることができる。 見…
JICA理事長として訪れた国々について、その国情を紹介しつつ、国際協力、外交のあり方について考察したもの。 南スーダンで国民スポーツ大会を開くとか、法整備を支援するとか、協力にもいろいろある。 世界地図を読み直す:協力と均衡の地政学 (新潮選書) 作…
雇用慣行を中心とする日本の社会の成り立ちの分析。以下備忘メモ。 日本社会は、大企業型、地元型、残余型の3類型でできている。 大企業型は、正社員、終身雇用といういわゆる日本型雇用。日本社会の3割。 地元型は、地元から離れない、農業、自営業など。社…