HONMEMO

読書備忘録です。

崩れる政治を立て直す/牧原出

作動学。大事な視点だと思うが、具体的なあてはめが分かりにくいところがある。

 

 

 

魂に息づく科学/リチャード・ドーキンス

サブタイトルは、ドーキンスの反ポピュリズム宣言とされているが、直訳すれば、情熱的合理主義者ドーキンス選集であり、雑文集。

ドーキンスの徹底した合理主義は、宗教に対する激しい攻撃はもとより、ブレグジットを生んだポピュリズム疑似科学や一部のサイエンスフィクション批判、更に科学の理解増進を図る上での説明のレベルダウン批判まで、幅広くかつあらゆる機会を捉えて追求される。リーズンラリーといった運動にも協力するのだが、ドーキンスは、理性を守るための集会が必要となっていること自体を嘆く。まさに世界的にそういう時代で、ドーキンスのような啓蒙活動が大きな力を持てないでいることが残念だ。

 

 

 

 

広重TOKYO/小池満紀子、池田芙美

A5サイズの比較的大きな、美しい図版で名所江戸百景が採録されているが、それでも、丁寧に解説されている雲母摺、空摺、布目摺、きめ出し、あてなぼかしといった技法は、はっきりとはわからない。

 

広重TOKYO 名所江戸百景

広重TOKYO 名所江戸百景

 

 

 

幸福の増税論/井手英策

筆者は、2020年までの期間限定で政治をやるとして、旧民進党(前原誠司?)のブレーンとして活動もしているようだ。

本書の構想は興味深いのだが、日本人・社会の思考回路、心理構造を根底からひっくり返して、本書でいう頼りあえる社会を実現する道筋はなかなかに難しいだろう。

そのような社会の実現は、リベラルのサイドから、基礎自治体NPOなど草の根からの取組、理解を積み上げていくという地道な努力が必要なのだろうが、ベーシック・サービスの提供とそれに伴う負担増という方向は、それがあるとすれば、むしろ(田中角栄のように)保守政治家によって実現をみるのではないか。

野党(リベラル)が、増税を掲げて政権を取るという道は余りに非現実的に思える。

 

幸福の増税論――財政はだれのために (岩波新書)

幸福の増税論――財政はだれのために (岩波新書)

 

 

 

想像ラジオ/いとうせいこう

死者とともに生きるということ。

 

想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)

 

 

 

日本画とは何だったのか/古田亮

もう少し日本画に造詣が深いとより興味深く読めるのだろうが。

図版も結構多くて良いが、こういう本には索引が欲しい。

 

日本画とは何だったのか 近代日本画史論 (角川選書)

日本画とは何だったのか 近代日本画史論 (角川選書)

 

 

 

アドラー心理学入門/岸見一郎

アドラー心理学をもとにした処世術指南本といった趣

 

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)