2019-01-01から1年間の記事一覧
学術的内容を、一定の水準を維持しながらやさしく説明するのは難しいこと。本書は、もっとくだけた内容を想像していたが、なかなかに真面目な本で、勉強になりました。 こわいもの知らずの病理学講義 作者: 仲野徹 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2017/09/…
60年前、冬のソ連ウラル山脈での若者9人の遭難事故。遭難者たちは、靴を履かず、衣服もろくに着けず、重傷を負ったものや舌がなくなっている者もあり、衣服からは放射線が検出された。ソ連時代という背景などもあって、謎の提示は圧倒的なのだが、ノンフィク…
-平成は、災害や北朝鮮というリアルに対応不可能な事象に対して思考停止し、現実逃避、刹那主義に陥るニヒリズムが蔓延した時代。しかも、諦めてやりすごして何とかなるとう楽天的虚無主義。これは、永続するものという皇国イデオロギーにも関係している。し…
あられもないタイトルだが、 「歌仙はすごい」はすごい なんという豊かな「座」であることか。 歌仙は、この国の文芸の一つの極み。 歌仙はすごい-言葉がひらく「座」の世界 (中公新書) 作者: 辻原登,永田和宏,長谷川櫂 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売…
小泉信三は、小熊英二のいう「オールド・リベラリスト」(大正期に青年時代を送り、共産主義を嫌悪し天皇を敬愛する自由主義者。都市中産階級以上の出身で、一般民衆から隔絶している。軍国主義は突発的異常事態であり、それ故正常な大正に帰ればよい)ではあ…
ライター&ジャーナリストの名刺を持つ著者が、1962年、米軍諜報部員として来日して以来、今日に至るまでの自伝的ノンフィクション。 タイトルはいわば象徴的なもので、オリンピックに重点はなく、半世紀以上にわたる日米の政治・社会、裏社会、スポーツ、ジ…
-戦国時代の同盟は全く守られなかった。他国の人間は信用できなかった。→秀吉以前の中世に日本という国家はなかったのではないか? -日本では、諸外国で見られたような大虐殺が見られない(信長除く)。穏やかで変化を好まない日本の背景には、多神教や世襲原…