インターネット時代、英語が「普遍語」となる中で、日本語は亡びるのか。「国語」の祝祭の時代が終わり、日本語は、国語から「現地語」と化すのか。「読まれるべき言葉」は英語で書かれ、「叡知を求める人」は英語を読み*1、英語で書くという方向に向かっていき、日本語は亡びるのではないか。そんな中で、日本語の国語教育、英語教育はどうあるべきなのか。著者は、国民の全部ではなく、一部がバイリンガルとなることを目指すこと、すなわち学校教育は英語教育に力を入れる必要はない。むしろ、「日本近代文学を読み継がせるのに主眼を置くべきである。」と強調する*2。
この本が「読まれるべき言葉」であったとしても、もう大方の日本人は、これを読み継ぐことができなかったりして*3。あるいは、戦後民主主義的なメンタリティからは、エリート主義的とか、エラソーにといった反感もありそう。
三四郎を読み返したばかりだったが、その分析がとてもシャープで、感心した。
PS 梅田望夫さんが絶賛してるんですね。
- 作者: 水村美苗
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/11/05
- メディア: 単行本
- 購入: 169人 クリック: 12,657回
- この商品を含むブログ (455件) を見る
1890円@Amazon