HONMEMO

読書備忘録です。

立花隆の最終講義/立花隆

2011年刊行の「二十歳の君へ」の一部を再編集したのもの。

適度な失敗は歓迎すべきものだが、取り返しのつかないような大失敗をしないためにどうするか。

→先決問題と考える順序。思い込みの排除。

職業的懐疑の精神。

といった思考技術、生きるヒントのような話や、哲学、歴史、科学など若い人に話したいことを縦横に語るもの。

量子力学不確定性原理 AはAであって非Aではないという自同律を否定、現実が存在と非存在という全く矛盾する事態のどちらかであることが確率をもってしか語れないこと。明証性の原理が適用できるほど明快なかたちでは示せないけれど本当らしい事実はたくさんある(真理の蓋然性)。このことは、自分の頭でなんでも疑って考える、ということにもつながるだろう。

量子の世界は頭ではそれなりに理解したつもりでも……ということがたくさんある。波であり粒子であるなんてのもそうだけど。

立花隆は、科学の伝道者としての役割も大きかった。

2012-13年上梓の天皇と東大が最後に読んだ本だと思うが、この大著を著したのが氏が72歳の時。パワフルな人だった。