高橋是清の自伝というより、明治維新から太平洋戦争に至るまでの日本を、財政、金融、税制の面から見たもの。この時期の歴史を扱う本は多いが、このような切り口はとても興味深く、なるほどと思わせるところが沢山あった。
高橋是清の自伝というより、明治維新から太平洋戦争に至るまでの日本を、財政、金融、税制の面から見たもの。この時期の歴史を扱う本は多いが、このような切り口はとても興味深く、なるほどと思わせるところが沢山あった。
ネイティブ・アメリカンの大量殺人は、西欧・白人植民地主義の流れの中で白人以外はヒトに非ずという差別意識がなお強かった(というか、それが当然のこととして、意識すらされない)時代の悲劇なのだろう。もちろん、時代のせいとしてその行為が正当化されるものではなく、被害者の、また被害者の家族の無念は普遍のものであること、言うまでもなく、やり切れない思い。
パリ列車テロの模様とそれを阻止したアメリカ人3人のそれまでの人生、事件後の狂騒を描く。事件そのものの記述が少ないのに驚く。
ヒーローとなった3人のその後の人生がどうなるのか、持ち上げられ、大はしゃぎなだけに、その方が気になる。
北米体験を再考してみると、著者の北米留学時代の体験の中にある米国像は、黒人の眼、ヴェトナム人の眼、沖縄の日本人の眼からみるとなお浅いと。
(マシースンの社会主義、スナイダーによるアメリカ・インディアンの評価、フェザーストーン、クリーヴァーによる黒人解放運動など)
「1955年以降の黒人を中心として、ヴェトナム戦争にかりだされる若い世代の大衆の中におこった生活の新しい流儀は、北米をこえて意味をもつように思える。そういう動きは、もとから北米にあったとしても、留学当時の私には見えなかった。第二次世界大戦をくぐり、戦後の日本にくらしてきたことが私に新しい視野をあたえ、留学当時の体験から意味をひきだすことができるようにした。」
脳梗塞に倒れ自らも高次脳機能障害を負うことによってはじめて、大人の発達障害を抱える妻の苦しみが真に理解されて、夫婦関係は大きく変化していく。
障害者理解の「ためになる本」という読み方もあろうが、1組の夫婦のノンフィクションとして、不謹慎な物言いながら面白い。ユーモラスな(マンガチックな)文体もふさわしい。
されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間