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読書備忘録です。

パキスタンへ嫁に行く/わだあきこ

著者は写真家。1995年の上梓。

パキスタン北西部、アフガニスタン国境に近いヒンドゥークシ山脈に抱かれた谷に暮らすカラーシャ族の祭りなどその習俗を取材するうちに半分現地で暮らすようになり、現地の人と結婚。

カラーシャ族の人々は、非イスラムで独自の信仰を持ち、人懐っこいが、女性を不浄とする習俗が根強く、掃除が嫌いで(日本人からすると)いい加減。衛生環境もよくない。そんな中によく嫁に行くわ、なのだが、ご本人は文句たらたらながら、カラーシャの習俗も「習わしの枠みたいなものを取っ払っていき過ぎてしまった日本のナレアイみたいなもの」に比べればどうってことはないかなと思ったりするようで、素朴でも楽しい家庭を作る、住み良いきれいな村を作るという夢を追う。

実際、私財も投じて沐浴場やトイレを作ったり、(図らずも?)電気導入の道筋をつけたりもするのだが、いい加減な人々なので、施設も思ったようなものにならなかったり、できてもすぐに使い物にならなかったりと、その辺りが読みどころだったりする。

何でこの本を知ったのか思い出せないのだが、30年近く経って著者は、村はどうなってるだろう?