HONMEMO

読書備忘録です。

お客さん物語/稲田俊輔

飲食店経営者から見たお客さん、客の立場から見た飲食店関係者についてのあれこれ。

飲食店経営者は、お客さんに喜んでもらいたいという思いがあるが、お客さんそれぞれが何をもって喜びを感じるかはそれぞれで、そこにドラマが生まれる。

お店には、お客さんに期待する注文の理想のスタイル、世界観がある。お客さん側がこれに気を遣わなければならない道理はないが、客側がそれを理解し、身を委ねることはその店を最大限に楽しむための最も確実な方法であるし、それを尊重する気持ちはあった方がいいという。そんな経営者側の思いを語った後で、小籠包屋で小籠包だけ頼みたい僕はどう振る舞えばいいのでしょうか?と書くバランス感覚が著者の文章の人気の秘密かな。