HONMEMO

読書備忘録です。

歪んだ正義/大治朋子

副題は「普通の人」がなぜ過激化するのか。

過激化のステップ

1 私的な苦悩、政治・社会的不正義への疑問や怒り→確証バイアスなどによる思い込みの強化

2 ナラティブ作り 共感する物語の取り込み

3 過激化トンネル 被害者意識の形成→外集団の非人間化→不正義を正すヒーロー像の確立→自尊心の回復→不正義を正す聖戦/自己実現の感覚

4 宣伝グセとしての犯行予告

5 トリガー 抑止又は行動化を促すきっかけ

ストレスやトラウマによる負荷が様々なリソースによる支える力を上回ってバランスを崩す時、人は過激化へと向かう。

過激化を防止するための方策も様々提示される。

→ストレス対処の様々な方法。非人間化の現象を食い止めるため、対象との距離を縮め、相手の人間性を目や耳で感じること。犯行予告をコミュニケーションを欲しているものとみて対応。傍観者効果の回避。コミュニティの役割の強化 など。

ハッとした気づきというものはあまりなく、そうだよなあというところが多いのだが、そういうことをきちんと分析することも大事。

歪んだ正義 「普通の人」がなぜ過激化するのか

歪んだ正義 「普通の人」がなぜ過激化するのか

  • 作者:大治 朋子
  • 発売日: 2020/08/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)