HONMEMO

読書備忘録です。

「花・ベルツ」への旅/眞寿美・シュミット=村木

「ベルツの日記」で著名なベルツの妻、「花」の生涯や一族の歴史を追うノンフィクション。1993年の上梓なので4半世紀以上も前の本。

著者自身が国際結婚をして苦労をしていて、花を調べる過程で何かと救われることがあったようだ。そんな意味で、本書は著者自身を書いているものでもある。

国際結婚というだけで石を投げつけられる時代から比べれば、ずいぶん変わってきたというべきだろうが、今でもダイバーシティとか言ってなかなか上っ面だけしかわかっていないことが多い。

ベルツの日記は、息子トクが出版しているが、父との関係が良好とは言えなかったことやナチスに傾斜していたこと等を反映した改変があるようだ。

日記の内容はすっかり忘れているが、サトウの日記とか、この頃の外国人の目から見た明治日本はなかなか興味深い。