HONMEMO

読書備忘録です。

サイエンス・インポッシブル/ミチオ・カク

SF小説で取り上げられるタイムトラベルやテレパシーなどは実現可能か、を最先端物理学で検証する。その困難さの程度によって、不可能レベル1から3に分類しているのだが、永久機関のような既知の物理法則に反するテクノロジー(レベル3)であっても絶対不可能とはしない、最終的には楽観的と言っていいこのような態度が科学の進歩を支えているのかもしれない。この分野の研究を知ることはワクワクするが、自分で方程式をぐるぐる考えるなどということは全くしたくないし、やろうとしてできるものでもない。楽しく(もちろん楽しいばかりではないだろうが)研究に取り組む研究者を心から尊敬するし、楽しいと思えたらいいだろうなと羨ましくも思う。

2008年上梓なので、この分野の研究の急速な発展を考えるともう古いと言っていいのかもしれないが、なんら本書の面白さを減じるものではない。